令和4年度 みやぎ材イノベーション創出事業

県産広葉樹木ダボ試作と木ダボ接合せん断試験

事業名:令和4年度 みやぎ材イノベーション創出事業

試験目的

オール県産材のDLTを目指し、県産広葉樹で木ダボを試作し、試作した木ダボ接合部の強度性能を確認しました。

試験概要

試作した木ダボの接合部の耐力を把握のため、接合部のせん断試験を行いました。

試験方法

県産広葉樹の木ダボ試作

県産広葉樹(ヤマザクラ、シデ、ナラ、ケヤキ)の木ダボを試作しました。
ダボ径 外径φ20.0mm、縦溝付き(輸入材の木ダボと同様の形状)

  • 写真1 県産広葉樹木ダボ
    写真1 県産広葉樹木ダボ
  • 写真2 輸入木ダボ(欧州ブナ)
    写真2 輸入木ダボ(欧州ブナ)

試験体仕様

試験体概要をそれぞれ図1、図2に示します。

  • 図1 試験体A 姿図
    図1 試験体A 姿図
  • 図2 試験体B 姿図
    図2 試験体B 姿図
表1 試験体の仕様
表1 試験体の仕様
主材、側材:宮城県産スギ KD材 無等級材
木ダボ:宮城県産広葉樹 ケヤキ、ヤマザクラ、ナラ φ20mm たて溝つき、含水率13%以下

試験結果

試験場所東北職業能力開発大学校

試験実施日令和5年3月14日、15日

試験体主材上部を一方向単調加力により強度を測定しました。

試験結果より

試作した県産広葉樹の木ダボと、過去実施した側材1枚の欧州ブナの木ダボせん断耐力との比較を表2に示します。接合部の耐力は降伏耐力Pyと最大荷重Pmaxの2/3にばらつき係数を乗じた値より求めます。県産広葉樹の木ダボは、欧州ブナのダボに比べ耐力的には若干高い値を示し、欧州ブナの木ダボと同様に使用可能と考えられます。

表2 木ダボ耐力の比較表
表2 木ダボ耐力の比較表
※欧州ブナの耐力は、株式会社長谷萬:林野庁 令和元年度⽊材産業・⽊造建築活性化対策事業 (横架材・2×4部材等の製品・技術開発事業)「木ダボ積層材(DLT)の普及に向けた性能評価と普及活動」報告書(2020年3月)より

試験写真

せん断試験状況(繊維方向)

  • ケヤキ
  • ヤマザクラ
  • ナラ

せん断試験状況(繊維直角方向)

  • ケヤキ
  • ヤマザクラ
  • ナラ