令和4年度 木材製品の消費拡大対策のうち
CLT建築実証支援事業のうちCLT等木質建築部材技術開発・普及事業

木ダボ積層材(DLT)の普及に向けた性能評価と普及活動

事業名:

事業主体:株式会社 長谷萬

事業期間:令和4年4月8⽇〜令和5年2月20⽇

実施結果

DLT外壁の防火性能について

  • スギ30×105DLT内部現わし、外部金属サイディング仕様の外壁にて、45分載荷加熱試験より、室内側加熱、外壁側加熱とも柱の軸方向の変位量は制限値以下、非加熱側への炎の噴出がなく、裏面温度の上昇も制限値以下で遮炎性、遮熱性が確認され、45分準耐火構造壁と同等の性能を確認しました。

  • 外壁材には、防火性能のない金属折曲板を使用しました。外壁材の仕様やDLT壁の厚さにより、さらに高い防火性能を付与することが可能と考えられます。

吸音DLTの実大居室での吸音効果について

  • 実大居室2.73m×2.73m室内高さ2.2mの壁の1面に、吸音パネルを設置した場合、合板現わしの仕様に比べ、3~6dBの音圧レベルの減少(音量が約3/4~約1/2に低下)が確認できました。

事業の背景

  • これまでにDLTの構造面の性能評価、検証を行い、現在、防火性能要求のない小規模建築物でDLTの利活用が進んでいます。DLTの利用拡大のため、令和2年度の事業では実大水平炉によるDLT床構造の防火性能を検証しました。また、1m×1m程度のDLTで加工形状、吸音材を変えた吸音DLTの吸音性能を検証しました。

  • 令和3年10月1日施行の「都市(まち)の木造化推進法」に伴い、今後さらに、非住宅木造建築や木造準耐火建築物(表1)などで中大規模木造建築いわゆるマスティンバー建築の建設促進や、木造以外の建築物の内装木質化が促進されると推測されます。

表1 準耐火建築物の種類
準耐火建築物の種類
※イ準耐火建築物は、木造3階建ての共同住宅等・学校等・高さ16m超のいずれかの場合は、45分→1時間とする

本事業の目的

1. DLT壁構造の加熱試験

DLT壁構造(外壁)の載荷加熱試験(目標加熱45分間)で45分準耐火構造壁と同等の性能を有するか検証し、集成材、CLT、NLT などのマスティンバー材と同様に準耐火建築物における壁でDLT利活用の道筋をつけます。

2. DLT壁の吸音性能試験

内装木質化での利用拡大のため、一部に吸音DLTを適用した実大居室で、吸音DLTの吸音性能の効果を確認します。

事業実施体制

製材業者、大学・研究機関と連携し、以下のメンバーの検討委員で検討を進めました。(敬称省略)

委員⻑

  • 安井 昇(桜設計集団一級建築士事務所 代表)

委員

  • 網野 禎昭(法政大学デザイン工学部建築学科 教授)

  • 宮田 雄二郎(法政大学デザイン工学部建築学科 准教授)

  • 花井 厚周(株式会社竹中工務店 木造・木質建築推進本部 副部⻑)

  • 小井圡 義治(小井土製材株式会社 代表取締役社長)

  • 原田 寿郎((国研)森林研究・整備機構 森林総合研究所 研究専門員)

  • 野中 峻平(一般財団法人ベターリビング つくば建築試験研究センター)

  • 河野 博紀(一般財団法人建材試験センター 中央試験場)

  • 小林 慧(群馬県環境森林局 林業振興課 県産木材振興係 主任)

  • ⻑⾕川 泰治(株式会社⻑⾕萬 代表取締役社⻑)

オブザーバー

  • 高木 望(林野庁木材産業課 課長補佐)

  • 熊谷 有理(林野庁 林政部 木材産業課 木材製品技術室 木材専門官)

  • 横江 美幸(林野庁 林政部 木材産業課 木材製品技術室木材製品調査班 企画係長)

  • 平原 章雄(木構造振興株式会社 常務取締役)

  • 宮城県CLT 等普及推進協議会

事務局

  • 鈴木康史、小林⾠美(株式会社⻑⾕萬)

全体スケジュール

実施の全体スケジュール

委員会の開催⽇程

  • 第1回 令和4年6月28日(火曜日) 10:00〜11:30 オンライン

  • 第2回 令和4年10月26日(水曜日) 10:00〜11:30 オンライン

  • 第3回 令和5年1月27日(金曜日) 14:00〜15:30 オンライン

実施内容について

以下リンクより各検証の内容をご覧いただけます