DLT(Dowel Laminated Timber)とは

DLT(Dowel Laminated Timber)は木ダボで接合した積層材で、マスティンバー(Mass Timber)と呼ばれる建築スタイルで使用される木質構造材のひとつです。建築物の壁、床、天井の構造材料だけでなく、意匠材料として用いることが可能です。

マスティンバーで使用される木質構造材(DLT、CLT、NLT)

こうしたマスティンバーで使用される木質構造材には、DLT のほかに、CLT(Cross Laminated Timber)や NLT(Nail Laminated Timber)などがあります。
私たち長谷萬では、これらの木質材料を適材適所で活用しています。

  • DLT(Dowel Laminated Timber)

    DLT

    木ダボで積層

  • CLT(Cross Laminated Timber)

    CLT

    接着剤で積層

  • NLT(Nail Laminated Timber)

    NLT

    釘で積層

DLT・集成材の製造プロセス

DLTは製造時に接着剤を使用しません。板の配列、穴あけ、木ダボ挿入という単純な工程で済むため、接着剤の塗布や圧締(プレス)の工程に用いられるような大型の製造設備が不要となります。そのために接着剤を使用するエンジニアリングウッド製品と比べると、製造時の使用エネルギーや環境負荷の低減が期待できる製品といえます。

  • DLTの製造プロセス

    DLTの製造プロセス
  • 集成材の製造プロセス

    集成材の製造プロセス

DLTの多種多様なデザイン

DLTは素材となる製材の断面形状や配列方法によって、多種多様なデザインの製品の製造が可能です。断面形状により吸音性など、機能性の付加が可能です。DLTは木材を並べて、木ダボで接合するだけで製造できるため、他の木製品に比べると、製造の自由度の高さも特徴と言えます。製造の自由度を活かすことで、これまで未利用だった素材や低質材料を仕上げ材などに活用でき、新しい意匠の製品を作ることが可能となります。またNLTのように、材同士の接合に釘などの金属系の接合材を使用しないため、積層後に切断加工による寸法調整や穴あけ加工が容易な点も特徴になります。

DLTの多種多様なデザイン

DLTの開発背景と現状

DLT(Dowel Laminated Timber)は、木材を積層してつくるブレットシュタッペル(Brettstapel)の一種で、1970年代にスイスの木構造研究者のユリウス・ナッテラー(Julius Natterer)氏によって考案されました。今日では、ヨーロッパ山間部だけでなく、北米地域でも使われるようになっています。(ブレットシュタッペル(Brettstapel)は、Brett(板材)+Stapel(重ねる)という言葉から成り、木を積層して作る木質素材を指すドイツ語です。)ヨーロッパのDLTは針葉樹(通常はモミまたはトウヒ)の製材と広葉樹のダボ(主にブナ材)が使用されています。木ダボによるかん合に加え、製材と木ダボの異なる含水率が平衡状態に達することによる木ダボの微小な膨張により、製材と木ダボがしっかり固定される仕組みです。

  • 穴径より若干大きいダボを嵌合

    穴径より若干大きいダボを嵌合

  • 木ダボの微小な膨張により固定が持続

    含水率による
    木ダボの微小な膨張により固定が持続

DLTの地産地消型のサプライチェーン

DLTを構造材料のほか、仕上げ材としても有効に活用することで、製材の歩留まりや付加価値を向上させることが可能となり、木質資源を無駄なく活用することが可能です。ヨーロッパの山間部では、DLTのこうした特長が評価され、中小の製材所や工務店が、DLTの地産地消型のサプライチェーンをつくっています。DLTは森林資源が充実し、木材活用が進みつつある日本でも、活用が期待される木質素材といえます。

DLTの地産地消型のサプライチェーン

出典「平成30年度 森林・林業白書より」 第Ⅳ章 197ページ
一般社団法人 全国林業改良普及協会 発行

長谷萬ではご要望や用途に合わせて、DLTの設計・製造に対応いたします。
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