木ダボ接合積層材 DLTDowel Laminated Timber

DLTとは

DLT(Dowel Laminated Timber)は、製材を並べて穴をあけ、木ダボを差し込むという、とてもシンプルな工程で製造できる木質素材です。製造時に接着剤や釘を使用せず、木ダボのみで接合しており、木材100%の積層材です。
床・壁・屋根などの構造材や、木の風合いを活かした現わしの意匠材、さらには木の素材感を活かしたインテリアまで、多彩な用途に活用が可能です。

DLTパネルを住宅の天井に現しで使用した例。

グッドデザイン賞受賞

DLTは2020年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞いたしました。
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多彩な断面形状

DLTパネルは板を並べて木ダボで接合する製造のシンプルさと、木材のもつ加工性の高さを活かして、多彩な表面デザインを可能としています。用途やご要望に合わせた断面形状に対応いたします。

  • 基本タイプ

    基本タイプ
  • べベルエッジタイプ1

    べベルエッジタイプ1
  • べベルエッジタイプ2

    べベルエッジタイプ2
  • 丸身・入り皮付きタイプ

    丸身・入り皮付きタイプ
  • グルーブエッジタイプ1

    グルーブエッジタイプ1
  • グルーブエッジタイプ2

    グルーブエッジタイプ2
  • 吸音タイプ

    吸音タイプ

吸音DLT

製材表面の溝加工形状に、吸音材を組み合わせることで、吸音性能を付加することが可能となります。吸音性能は、有孔吸音板と同等の性能となります。
学校施設の音楽室など、音環境への配慮が求められる空間におすすめの木質素材です。

住宅の天井パネルの事例。
構造材兼意匠材として活用し、一部の仕上げに吸音タイプを取り入れた。樹種は杉。

吸音性能比較

穴あき板(裏打材グラスウール:密度20kg/m3、厚み50mm)と同程度の吸音性能が確認できました。

丸身材の有効活用

「丸身」材は、通常、建築用材で好まれませんが、木材のラフ感が現れた魅力と捉え直すことで、意匠材として活用できるようにしました。木材の有効活用につながります。

シンプルな生産工程

接着工程が無く、製造に大型の加工設備が不要なため、中小規模の木材事業者が取り組みやすい木材製品です。
地域分散型で生産することで、地域の木材産業の活性化につながります。

製造プロセス

DLT使用例

DLTは構造用の床パネル、壁パネル、屋根パネルとしてご使用いただけます。
また、意匠材としてもさまざまなシーンでご使用いただけます。

DLT 屋根パネル

屋根ボードとしてご使用が可能です。

屋根と壁の素材対比が特徴的な採用例です。

DLT 壁パネル

軸組工法と組み合わせてご使用が可能です。スギ105×105JAS乙種2級同等材によるDLT耐力壁は壁倍率約2.2倍相当、構造用合板との併用で最大約5.5倍(2.2+3.3)相当の壁倍率となります。

※その他の断面サイズについてはお問い合せください。
※大臣認定を取得していませんので、許容応力度設計にてご使用いただけます。

現わしの天然木が存在感を演出します。

DLT 天井パネル

スギ構造用集成材E65F255同一等級構成の平梁と同等の耐力でご使用いただけます。多彩な断面形状で天井面に高い意匠性を与えられ、天井現わしの床パネルとして利用することで天井施工を簡略化できます。

※水平構面の確保のため、床パネルは構造用面材との併用でご使用いただけます。

天井材としてだけでなく、上階の床下地材を兼ねています。

DLT 意匠用

意匠用のボード、または家具としてご使用が可能です。

[飾り壁]多彩な表面デザインを活用し、凹凸を考慮しながらパネル化したDLTをパズルのように組み立て、デザインしています。
[パーティション]銀行カウンターのパーティションです。
[テーブル・スツール]
[ベンチ]

DLT仕様

建築・内装材として、床・壁・屋根など、構造または意匠として使用可能です。
樹種・サイズ・表面加工など、デザインや設計に合わせて対応いたします。
※屋外使用、家具や店舗什器などの場合はご相談ください。

地域材の活用

群馬県産材や多摩産材の他にも全国各地の地域材に対応いたします。
地域材の活用は、CO2排出削減や地域経済を活性化し、地域の山を守ることとなり、地域に根付いたサステナブルな対応につながります。また、大型の加工設備が不要のため、中小製材事業者が取り組みやすい木材製品です。スイスやドイツでは、山間部にある中小製材事業者や工務店が生産網を築き生産・活用しています。

防腐・防蟻木材 DLT+AZN

DLT+AZNは、木ダボ接合積層材DLTに防腐・防蟻処理用木材保存剤「ニッサンクリーンAZN」を乾式加圧注入処理した、高耐久なマスティンバー材です。

DLT+AZN プロセス

乾式加圧注入処理について

加圧注入処理は、処理装置内に木材を入れて減圧・加圧処理によって、薬剤を注入する方法です。木材に薬剤が浸透する量が多く、ムラが少ない製品の製造が可能で、この処理方法は「日本産業規格JIS A 9002木質材料の加圧式保存処理方法」に準じて行う信頼性の高いものです。
乾式加圧注入処理は、水を一切使用しないため木材の含水率変化が少なく、含水率変化にともなう曲がり反りなどの寸法変化がほとんど起きません。乾燥材に処理が可能なため、DLTに加圧注入処理後すぐに施工が可能です。また塗装などの作業もすぐにできるため、公園の遊具材、造園材、外構部材に最適な処理方法です。

※ニッサンクリーンAZNは兼松サステック株式会社の製品です。

DLT+AZNの活用事例

幼稚園の園庭に設置したDLTボルダリングウォール。
※樹種杉(材30×105)防腐防蟻薬剤注入処理(一部AZN以外も併用)木材保護塗料仕上げ

各種性能試験

DLTの各種強度性能試験や防火性能試験を実施しています。
DLT性能検証の概要はこちら

DLTショールーム

長谷萬本社のDLTショールームにて、さまざまなDLTパネルをご覧いただけます。
お気軽にお問い合わせください。