屋外用DLTについて

屋外DLTを用いたボルダリングウォール
完成した屋外DLTを用いたボルダリングウォール

屋外用DLT(Dowel Laminated Timber)と、屋外用DLTを用いた外構部材の開発

事業名:

事業主体:株式会社 長谷萬

事業期間:令和3年8月12日~令和4年2月17日

令和2年度補正 林野庁補助事業
外構部の木質化対策支援事業

1. 事業の目的

DLT(Dowel Laminated timber)は、木ダボだけで積層する木質素材です。これまで主に木造建築の現し屋根や床など意匠材兼構造材として用いられ、現在、活用事例が増えつつあります。しかし、これまでDLTを屋外に活用した事例がありませんでした。

DLT(Dowel Laminated timber)

DLTは穴あけ・ダボ打ちという、とても簡単な加工工程でつくることができ、製造に大がかりな加工設備が不要です。また丸身材など低質な木材も活用できる特長があります。こうしたDLTを屋外でも活用できれば、木材活用の新たな需要を作り出すきっかけとなります。

DLTの製造工程

DLTは木材で出来ています。木材は自然素材ですので、温度、水分、栄養、空気の条件がそろうと、木材腐朽菌が繁殖し、腐朽・劣化します。それを防ぎ屋外で健全な状態を保つために、木材の高耐久処理として、防腐・防腐薬剤を加圧注入する技術が使われています。
そこで今回、DLTの屋外利用のきっかけとなる取り組みとして、高耐久処理を施した屋外用DLTを用いた屋外遊具の製造・施工を行い、合わせてDLTに対する防腐・防蟻薬剤の注入性を検証しました。

2. 外構部の木質化について

杉DLTを用いた木製のボルダリングウォールを、神奈川県横浜市青葉区の幼稚園に設置しました。幼稚園には境界の一部に擁壁があり、この擁壁部分を活かしてボルダリングウォールを設置しています。
ボルダリングウォールは、公園やスポーツ施設などに設置するクライミングが体験できる壁です。壁に手や足を掛けることのできる、ホールドが付いており、楽しみながら体力やバランス感覚を身につけることができます。

完成したDLTボルダリングウォール

ボルダリングウォールは、DLTパネルを製造の際、ボルダリング用のホールドを固定するボルト穴などは、耐久性維持の観点から工場で予め穴加工したうえで、防腐・防蟻薬剤を加圧注入しました。

薬剤注入前(薬剤 AZNA)
薬剤注入前(薬剤 AZN)

注入後のDLTパネルを、溶融亜鉛メッキ鉄骨フレームにステンレスボルトで取り付けを行い、木材保護塗料(キシラデコール アクオステージ)で塗装しました。その後、ボルダリング用のホールドを取り付けました。鉄骨フレームは、地震等の外力に対して構造計算を行い、十分な安全性を確認しています。

木材保護塗料 塗装の様子
ホールドの取付け状況

ボルダリングウォールは、現在、子ども達に人気の遊具になっています。ボルダリングウォールを設置するまでは、幼稚園の園庭に木材を用いた遊具はありませんでしたが、新たに木製遊具を設置することができ、園児たちが木材に触れる機会を提供することができました。また、幼稚園外構木質化の一助となりました。

園児たちが遊んでいる様子

3. DLTへの防腐・防蟻薬剤の注入性確認について

DLTに対する防腐・防蟻薬剤の浸潤度や吸収量について、検証を行いました。検証結果については、報告書をご覧ください。

本事業は令和2年度補正 林野庁補助事業「外構部の木質化対策支援事業」の採択を受けて、実施しました。本事業にご協力頂きました関係者の方々に、心より感謝の意を表します。