木造金物工法建築における情報施工支援技術に関する研究を開始

21.10.12

報道関係者各位
                                      株式会社長谷川萬治商店

株式会社長谷川萬治商店は、慶應義塾大学 SFC 研究所(所在地:神奈川県藤沢市遠藤5322、所長:飯盛 義徳、担当研究者:政策メディア研究科 教授 池田靖史、以下「SFC」)らと共同で木造金物工法建築における情報施工支援技術に関する研究を開始しました。この研究は、Head Mounted Display型の強化現実デバイスを中心にした建築施工作業者への情報提示によって、複雑化する作業の確実性や安全性、効率性などを高める手法を、具体的な木造建築の金物工法を想定して開発するもので、近年注目されてきている木造建築の高性能化や複雑化、大規模化に対応する用途が期待されます。
木質建材の積極的利用は炭素固定による温室効果ガス削減の観点から期待が高まり、木材を利用した建築物は多様な目的や、地域、規模のデザインへとますます拡大していくと考えられます。金属部品による接合部の強化は伝統的にも使われてきた木材の構法的な可能性を押し広げてきた中心的な技術であり、今後もこうした傾向に対応して高度化していくことが求められています。現実的な建設作業においては、できるだけ安全でスピーディーな施工を実現ことが重要であり、その観点から接合部の設計や組み立て手順の計画などが考案され、工場加工と現場組み立て、及び運搬計画などの方針が立てられます。こうした方針を実際の作業者がどれだけ適切に情報共有できるかが。結果的に作業の確実性や安全性、効率性につながりますが、従来は施工図面がその主な手段となっていました。本研究では池田靖史研究室がこれまでも蓄積してきた、Head Mounted Display型の強化現実デバイスによる作業者への情報提示を前提に3Dモデルやリアルタイムの通信を駆使して、こうした情報共有の高度化をする具体的な手法を開発する予定です。こうした情報施工支援技術は、これまで以上に複雑で高度な施工を要求するデザインの建築物を実現可能にすることにつながり、将来の木質建材利用拡大に貢献すると考えます。

※本プレスリリースは、新聞各社社会部等に配信しております。

【本件についてのお問合せ先】

慶應義塾大学SFC研究所 池田靖史研究室

URL: https://ikeda-lab.sfc.keio.ac.jp/sgb.html

E-mail: yasushi@sfc.keio.ac.jp